西粟倉村に移住した木工カップルの地産地消な暮らし方(前編)

岡山県西粟倉村 山田・西原邸 改装費用65,450円(前編計)

山田哲也(やまだ・てつや)さん32歳と、西原貴美(にしはら・たかみ)さん28歳。大阪で家具職人を目指していたふたりが西粟倉村に移住。いわゆるIターンである。西粟倉・森の学校の社員として働き、休日は木のスプーンとかアクセサリーをつくったり、ワークショップを開いたり。毎日身につけるものをつくりたいという思いから「FURERU」という活動をしている。

山田さん夫婦の暮らしを見ていると、家も含めて食材とか器とか自分でつくるスプーンの材料とか、村にあるものや近くにあるものを丁寧に集めて手を入れて暮らしている。都市で生活をしていてもなかなか手に入らないものが、そこそこの値段で手に入ったり、夕食の材料に鹿肉や猪の肉が出てきたり、春になると生えてくる山菜や、河原から採ってきた魚、近くは鳥取の日本海から採れた蟹やサザエなどの海の幸も比較的簡単に手に入る暮らしは非常に豊かだ。「FURERU」のブログには山田さん夫婦の美味しそうな日々の暮らしが綴られている。

今回はまず、家具職人を目指して西粟倉村に移住された山田さんからお話を伺った。

photo & text by yasunobu tamari(@tamachangg)


マメ皿 ¥2,800
Size / W : 8.5cm H : 8.5cm D : 3.2cm Material / 楢(ナラ)、水目(ミズメ)、山桜


丸中皿 ¥5,000
Size / W : 15cm H : 15cm D : 3cm Material / 山桜


パスタ皿 ¥9,750
Size / W : 23cm H : 23cm D : 3cm Material / 栗


箸置き ¥2,250
Size / W : 5cm H : 1.4cm D : 1.5cm Material / 槐(エンジュ)、楢(ナラ)、山桜(ヤマザクラ)、檜(ヒノキ)+special

-山田さんはなんで木工を始めようと思ったんですか?

山田:元々は大阪で家具をつくる勉強をしていました。5年くらい前はレコード屋さんで働いたり、照明の仕事だったりと、音楽の仕事をしていて。そこからゼロから家具の勉強をし始めて。家具とかインテリアとか雑貨は好きだったし、昔から自分で使う遊び道具は自分で作ってたんだよね。単純にお金が無かったからなんだけど。うちの親父もつくることずっとやってた人だから。


fBox350 ¥4,500
Size / W : 35cm H : 35cm D : 30cm Material / 檜(ヒノキ)


fBox700 ¥6,800
Size / W : 70cm H : 35cm D : 30cm Material / 檜(ヒノキ)

-そもそも西粟倉に来られたきっかけは?

山田:西粟倉に移住してきたのは、一年前。大阪に飽きたってのもあるけれど。ここだったら原材料から商品になるまで、家具が作られていく過程が全部見れると思ったし。「木工房ようび」とか、いい作り手がいるし、そういう人達が集まってくる予感があった。西粟倉村は最初は残念な田舎だなと思ったけれど。観光資源や経済的にもこれ以上落ちようのないとこまで来てるから、そこからあとは上がっていくだけだなと。

-いい作り手っていうと。

「大工さんスゲェな」と思って。あんなに真剣に家造りをしてる人はいままで見たことがなかった。村内の大工さんで、いま一緒に米櫃をつくってくれている、河野文明(こうの・ふみあき)さんもそうなんだけど、自分の仕事にすごくプライドを持って責任を持って仕事をしてるなってのが伝わってくるんです。そういうことが、今は表に出てないけれど、この村にはものづくりをしていくポテンシャルがあるな、と思った。


米櫃 ¥15,000
Size / W : 20cm H : 26cm D : 30cm Material / 杉(スギ)

-Iターンとして移住してきて、どうやって家を探したんですか?

山田:西粟倉・森の学校のオーダーメイド担当として、Iターンとして移住してきたんですが。住む場所は村の役場にある雇用対策協議会が紹介してくれました。丁度一年前の一番寒いときに見に行って、最初は断ったんだよね。あまりにも状況がひどくて寒くて住めないと思ったんだけど。どうしてもあの家に惹かれてしまって、家が持つ空気感というか、築70年くらいの古民家なんだけれど建物が持っているオーラというか。それで結局直して住むことにした。キッチンや水回りは、村の役場が貸している物件だったので、役場の方で直してもらった状態で借りることになり、ボロボロになっている畳ははがして床を張りました。壁も元々の壁からぜんぶ剥がして漆喰を塗ったりして。

-山田さんの家の食器は、見てると欲しくなりますね。色が鮮やかな物が多い。

山田:収納棚だったんだけど、上の段の引き戸を二枚外して、棚をつけて食器の飾り棚にしました。土鍋とか食器は、鳥取駅の近くに鳥取や島根のものを取り扱った食器や陶器を集めている「たくみ工芸店」ていうお店があって、島根の出西窯(しゅっさいがま)とか、鳥取の中井窯(なかいがま)の陶器を使ってます。酒器とかは西粟倉の宮崎さんのものとか。

木で出来たカトラリーはほとんど自分でつくってます。家具だったら工房がないと作れないけれど、スプーンとかだったらワンルームマンションとか場所がないところでも作れるので。


fBoxStacking ¥3,500
Size / W : 40cm H : 35cm D : 30cm Material / 杉(スギ)

-暖房に火鉢をつかってますね。火鉢って火事が起きそうでなんだか怖くて。

山田:家はめちゃめちゃ寒いので、火鉢をメインにつかってます。備長炭のようなちゃんとした墨を使えば煙も出てこなくて家の中でも使えるんですよ。火鉢はもともとあったものをつかっていて、引っ越してきたときに置いてあったんで。狭い部屋だと火鉢一個でけっこう暖まります。家の隙間はけっこう最初に埋めてるんだけど、まだまだあいていて、建具が歪んでいる部分は直せていない。家自体が歪んじゃっているから。でも隙間があいてて風が入ってこないと火鉢の火も燃えないからね。

後編は次週、西粟倉・森の学校の製造所で働く、奥様の西原さんからお話を伺います。

data 日々、フレル。
http://fureru.exblog.jp/

作り手と使い手を繋ぐ。フレルっていうのは、ものに触れるっていうとこから来ていて、フレルの活動っていうのはものに触れる機会を多くつくりたいというところから始めました。定期的に手作りワークショップをやってたり、神戸の「摩耶山リュックサックマーケット」っていうフリーマーケットに出してます。スプーンやアクセサリーの販売などのイベントのご案内はブログにたまに出してます。


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