四月に登り窯の初窯を予定しているんです。業者発注ではなくて、僕たち手作りで窯を作る。構造も他の窯をいろいろ見せてもらってね、自分なりに予想のもとに設計図を書いています。だから実際に火をいれてみないとわからない。不安っていうかね。釉薬も、失敗の連続。弟子入りをせず、自分で研究をして。自分んとこで手に入るもので作っているもんですから。

今回ここで造る登り窯は、実際には一番手間のかかる焼き方なんですよ。時間も人手もかかる。多いときには八人から十人がいないと焚けない。全部で三つの部屋があって、二つ目三つ目は、前を焚く人も横から焚く人も必要。三日間くらい焚き詰めで、特に二日目くらいからは大勢の人がね、関わってもらわないと焚けないような窯です。

使いやすさを一番に。

手に持ってなじみやすい、持ちやすいというのが必要だと思うし、使っている中で扱いやすいものが、焼き物としては、食器だと特に大切だと言えるんじゃないかな、という気がしてます。例えば持ったときに持ちやすくって、口に持っていって飲みやすいというものが、コーヒーカップだったら必要なのかなと思いますし。使いやすさというのを一番に気をつけて、工夫しながら、作品づくりしたいなあと思ってますね。

薪にしても、自分たちで薪を作る。窯も手作り。作品を創る楽しみや喜びっていうんですかね。自分も楽しむんですけれども、多くの人にも経験して欲しいんです。使う楽しみプラス、焼く楽しさも味わってほしいなと。だから、窯焚きに来た人には、薪作り等、いろいろな作業に関わってもらう。そうすると、自分の作品が、いろいろな行程も手を加えて作った物になる。そしたらすごく愛着も生まれるんじゃないかなと思うんです。

手間のかかるのが良い。

陶芸教室に来られる人は、土で形成したら、その後は焼けたのを待つだけ。それもいいと思うのだけど、自分で創ったものをここで焼くのも、作品に湧く愛着がずいぶん違うんじゃないかなと思います。火をくべるのも楽しいですね。また集まってくる人の中にもいろんな人がいますから、そういった中の会話いうんか、コミュニケーションも楽しみの一つになるかなと思いますね。



宮崎薫さん
陶芸作家。小学校の焼き物クラブの顧問をしていたことがきっかけで陶芸の始める。今年で35年目。若杉窯にて、使いやすく長く使って貰える作品を目指す。また作品を造る過程を楽しんで貰えるためのワークショップも行う。
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