間伐によって可能になった椎茸栽培。
スギ・ヒノキの林がほんとは光が入りにくいんで、思いっきり枝打ちや間伐をして、椎茸にある程度光が当たるように整地してから並べています。ここにあるのは、一年六カ月くらい植菌をしてから山に置いて、やっとこの冬初めて出てきた椎茸です。自然にずっと置いておけば、十年以上くらいは出てくれます。だんだんと肉厚ではなくなりますし、出る量も少なくなるんですけども、本数が多いんで、これだけでもかなりの収穫はあります。特に秋の椎茸は一斉にパッて出るんでなしに、順次ずっと出ますので、雪さえ降らなければこういう状態で、春までずっと採れます。
虫も全部は食べない。
自然の山に置いて、まず薬も何も使わない。農薬も使わない。当然虫は来ますけれども、それは覚悟の上で全部食べるということではないですから全滅はしない。地域によっては鹿が椎茸を食べるという地域もあるんですけれども、幸い西粟倉のここの辺では鹿はしょっちゅうこの辺に遊びには来てますけれども、椎茸は食べないんでありがたいなと思ってます。
やっと「これだったら」というやつで。
椎茸は何百種類とありますけれども、西粟倉の気候に合った種類は多くない。何年もいろんな種類を植えて、植えてみてはダメだったとやって、やっと「これだったら」というやつを、この山には今二種類植えています。空気も水もきれいですしね、寒さの中でゆっくりと木の養分を吸いながら大きくなる椎茸の方が味がいいですね。じわじわ大きくなるのが一番おいしいです。

しいたけは、脚も全部食べて下さい。
みなさんよく脚をですね、傘の付け根から切って料理される方があるんですけれども、これ(椎茸)をみなさんに見て頂いて、「昆虫とかネズミとかが、どこを食べますか?」と聞いたら、ほとんどの人がね、本体と言うんですけれども、実は脚なんです。それもね、傘の付け根の周りしか食べないんです。根元を脚のほうから食べるんです。ちょっと色のついたところを切って頂いて、脚も全部食べてください。動物がよく知ってて、おいしいところしか食べませんから。
食べて頂くには、手間暇かけて料理しないと。
鹿の後ろ脚一本、皮をはいで胴体から四つの脚を外すまでだったら一時間半ですが、筋のあるものをきれいに取り除くというのも手間がかかる。後ろ脚一本で三時間ぐらいかかります。鹿の料理をしだしたら、深夜の一時二時になっても一人でやってることがあります。

一回、私の鹿肉食べてみてから、嫌じゃどうの言うてくれんか。
猟師の人が、「どんな料理をするんな?」と見に来ますけど、教えてもらいたいからと来られる人も「こんな手間暇かけてするんか」と言って、帰ってしまいます。それも、部位によって、生でも食べれる刺身用とか、たたき用にする脂身のついたところなど五種類くらいに分けます。こま切れで炒めたりカレーに入れたりするようなものまで、ラップで丁寧に食べやすい大きさでくるんで、真空パックに入れて冷凍にする。鹿一頭を料理するまで四〜五日かかりますね。
猟師さんは撃つのが楽しみで、食べるのが楽しみという猟師さんは、いま西粟倉でゼロに等しいですから。撃って獲ったらもう山にほる。本来は山に絶対ほったらあかんのですけれども。で、私が料理をするのが好きじゃというと、だんだんと知って頂いて、「どこどこの山に転がっとるから取りに行ってくれ」とか電話がかかってくる。笑。一年間に鹿を40〜50頭くらいは料理しますね。名物になったらなと研究しております。
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江見省三さん
消防職員として西粟倉で働きながら、持ち山で椎茸栽培を始める。また、趣味として、山に住むシカ、イノシシを何日も掛けて料理をする。美味しいと言ってもらえるのが喜び。


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